今日は精神というくくりのお話。

一人でうつうつと悩む
嫌な事があった時、悲しい事があった時、自分一人で悩む。あの時はこうだったのかな、もしかしたらこう思っていたかも、こうできたらよかったかな、でもそしたらこうなってたのかな、でも…。
なんて、今更やり直すことはできないし、どうしたら正解だったのか、なんて答えもない問いを延々と繰り返しては、もう来ることのないもう一回を何度も何度もシュミレーションしてしまう。
そんな時には必ず、自分を責める気持ちが共存します。
それを抱えながら何度もシュミレーションすることで、そんな気持ちがむくむくと大きくなっていきます。どうしたら良かったんだろうという問いだったにも関わらず、自分を責める気持ちが大きくなって、相手を責める気持ちも出てきて、周囲の環境を責める気持ちも相まって、今まで生きてきた過程すら苛立ってくる、なんてことありますよね。
自分一人でいると、決定的に不足するのは情報です。
対策に煮詰まった時には情報を足す、これが解決策だと私自身は思っているのですが、自分だけの協議だと、どんどん情報が偏ります。そして事実ではなかったはずの情報がどんどん出てきます。
そしてうつうつと悩む。ね、辛いんです。
今まで人生での辛さ、昔に同様の事例に当たった時の対応や自分への思い、今は全く関係ないはずのその時の相手への思い、などなど。昔々あるところに…という次元の話ではなく、本当に今あるかのような気持ちになり、今の自分を害する思いが爆発的に増えてしまうのです。
その時、その事柄だけを見ているのではなく、それより前に多くあった、全く異なる出来事の自分への思いも併せ持って見ているんです。
だからその時だけの話を聞くのみでは、その人を癒すことは難しく、なんでそんな偏った思いになるの?と疑問視してしまいがちになります。
訪問看護の効果は
訪問看護は1週間に1回30分程度しかありません。長くすることも、多くすることもできますが、それであっても自分一人で過ごす時間の長さには勝てません。
人と会って話す、話を聞いてもらう、確かにそれが訪問看護の利用目的であることも多いです。ですがそれで楽になる訳ではありません。
話を聞いてもらう効果についてはまたのお話にしますが、訪問看護の効果をいかに長くするかと言うのは非常に重要な考えです。
30分話を聞いてもらってスッキリした、よしTVを見よう、えっ明日天気悪いの?最悪だ…。これでは訪問看護の効果は一瞬です。
話を聞いてもらってスッキリした、だけの効果は対症療法にすらなっていないことがほとんどです。異なる意味合いの話を聞いてもらうことの効果はまたのお話にしますが(2度目)。
何か自分へのストレスがあった時に「訪問看護に話を聞いてもらう」これが対処行動になることが、一番辿り着いてはいけないことだと思っています。
それは自立支援の観点から非常に対極にあるものだと思っているので、病気を良くするはずの訪問看護なのに、ないと生きられなくなっているなんて関係にはならないように、契約の時にきちんとお話をさせていただいています。
キャッチフレーズをつけよう
訪問看護の効果をいかに長くするか、情報を足す視点を持ちながらうつうつと一人で悩まないようにできるか、そんな壮大な目標に対する解決策が「キャッチフレーズをつける」です。
自分はまだやりたくないって言っていたのに、支援員さんが突然やるように指示してきた。他のことは自分のペースでさせてくれたのに、なんで。
そんな時に、じゃあ支援員さんはどんな気持ちだったんだろう、自分はどんなふうに伝えた?それはちゃんと伝わる言い方だったのか、他のことは自分のペースでさせてくれたことに感謝はしているんだから、たまたまその時だけだったんじゃない?
なんて言葉は違えど、振り返ることは訪問看護の場ではできるかもしれません。でもそれをその場で考えて対処して、「我慢」と言う形ではなく訪問看護の場まで持って帰ってこられるか、というとそうではなかったりします。
一つの諍いだったものが、訪問看護の場を迎えるまでに相手への苛立ち、憎悪になり極端な発想となって「もう作業所にはもう行きません。やめます。」なんて完成形まで作られてしまっていることもしばしばあります。
そんなことにならないようにキャッチコピーをつけます。
「そんな事があったんだ、その支援員さんと「時空が歪んでるね」」みたいな。
ありもしないことを想像しては自分が後ろ指刺されているのではないかと恐怖に感じて泣き出してしまう時でも「想像力が豊かだね」と伝えます。
常に人に尽くして頑張って、誰にも嫌われたくない、そう頑張り続けて疲れてしまう時にも「そろそろボランティア団体は解散しようよ」と伝えます。
利用者さんとの関係値や年齢、病状などを詳しく設定して皆さんにお伝えする訳にはいかないのですが、もちろん個別性がとても高い発言ではあります。
自分が似たような時に「はっ、これは時空が歪んでる!」と思い出せたら少し笑えて、「また時空が歪んでた話し、訪問看護の時にしよーっと」と思ってもらえたら効果は抜群です。
嫌な事があった、それをフラットな気持ちのまま持って帰ってくる、そして「聞いてよ、また時空が歪んでた」「なにそれ、また時空の歪み体験してきたの、すごい大阪万博もびっくり」となれば嫌なことでも笑える自分に一歩近づけるのです。
最初に伝えたときは「は?」と言われることもありますが、マスターしてくるとキャッチコピー癖がついてきます。そうするとその言葉を言うことで、ストレスを感じる出来事があっても、面白く笑えるようになっているんです。認知を変えていくことで、長期的に見て自分で自分を笑わせられる自分になります。
ね、訪問看護卒業のビジョンも見えてきますよね。
そんな私の根拠のない、精神というくくりのお話、でした。
コメント