採用する基準はなんですか。

運営のおしごと

今日は運営のおしごとのお話。

いつもの返答

人材紹介業者さんから職員の紹介がよくあります。基本条件としては臨床経験2年以上、運転免許あり(AT限定可)が必須条件となっています。

その上で求職者さんの条件を踏まえて面接希望を伝えます。

面接に至る前に、お断りする方々としては「年収600万円希望」えっ、会ってもないのにそんなすごい年収確約できないです。「看護師歴5年、転職回数10回以上」すぐ辞められちゃうと落ち込むのですいません。「管理職志望です」志は素晴らしいのですが、私はどの立ち位置にいれば良いのでしょうか…。

人材紹介業者さんも本人の意図をきちんと汲もうとして伝えてくれるのだとは思いますが、こちらへの伝え方が率直すぎると戸惑います。

電話に出られないと5分も経たずに電話を複数回かけてくる業者さんはそっと着信拒否にしたりします。あなたの仕事を進めたいのは分かります、ですが、私も仕事中なのです。訪問中は出られないのです。人材紹介業者さんのイメージが悪いとそうなってしまうのは求職者さんに大変申し訳ないのですが、それもまた人の運なのかな、と思っています。

面接まで至ってもお断りするケースも多々あります。

その際に人材紹介業者さんに「採用の基準はなんですか」とよく聞かれます。その時に私はいつも「ぱっと見です」と応えています。

ぱっと見だと、人材紹介業者さんの紹介の仕方や、本人の立ち振る舞いではいかようにもしようが無い感じが伝わるかと思います。

でも本当に、ぱっと見なのです。

利用者さんから見ると

面接で共有する30分から1時間程度の時間は、おそらく繕われたものではあるのだと思います。

それはお互いにそうだとも思います。私としても就職して欲しいと感じた求職者さんに「ここで働きたくないと思いました」と言われたら、とてもしょんぼりするのでいい管理者感を醸し出すようにしています。できているかは不明瞭ですが、おそらく嫌な感じを求職者さんが受けても人材紹介会社さんは教えてくれないような気がするので、気をつけるようにしています。

そんな作り込まれた時間をどう判断するかと言うと、最初の10秒もないくらいで合否は決めています。それは本当にぱっと見しか言いようのない感覚なのです。

なぜそれを重要視しているのかというと、利用者さんのご自宅に伺って、利用者さんが最初に感じる印象がそれだからです。

緊張しているな、身なりが少し乱れているな、笑顔が素敵だな、いい人そうだな、そんな最初の数秒が非常に重要なのが訪問看護というフィールドなのです。

認知バイアスでのハロー効果は最初が良い印象でなければ、その後積み上げられていく単純接触効果は負に傾いてしまうからです。

その率直な感想を人材紹介会社さんに伝えると「緊張していたんだと思います」「慣れていないので」などの返答をいただくことがあります。

何度も言いますが、それこそが利用者さんの感じる印象なのです。

面接の時には緊張しました、ですが利用者さんの家に行くときはとてつもなくリラックスしています、なんて人いませんよね。

面接より緊張する場が訪問看護という、利用者さんのテリトリーに入る瞬間です。

いざという時に

利用者さんへ伝わる雰囲気も大事ですが、私が感じる雰囲気もとても大切にしています。

なぜかというと、何か起きた時に私はその職員を全力で守る必要があるからです。

この人なら守りたい、どんな時でも信じようと思える、そんな自分の感覚をとても大切にしています。

事業所の職員を雇うことで、事業所の評判が落ちてしまうこともあります。インシデントが多発し、営業が立ち行かないこともあるかもしれません。

それでもこの人と一緒に仕事がしたい、そう思える方を雇っています。それは結局、職歴や社会的にどうか、ではなく本当にぱっと見と言っていいのだと思っています。

そして職員からも「この人の元で働きたい」そうぱっと見ですぐに思ってもらえる、そんな管理職を私も目指しています。

そんな私の根拠のない、運営のおしごとのお話、でした。

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