今日は精神というくくりのお話。

それって時間稼ぎですよね
利用者さんが何か気持ちの不具合を伝えた時に、審判をかって出る職員がいます。
それはいいです、それは間違っています、とはっきりとした言葉で常識というものをぶつけてくるのです。その常識は職員の持ち物なだけで、利用者さんや他の方は持ってないものであったりします。
「常識とは、18歳までに身につけた偏見のコレクションに過ぎない」とアインシュタインも言っていますね。
常識と常識をぶつけることは、正義と正義をぶつけることです。アンパンマンとバイキンマンみたいに正義と悪が明確である世界は現実にはあまりありません。マリオだってクッパがいなければただの口髭のおじさんです。
つい悪者を退治する、悪いことを根本から取り除くという解決策を取りがちです。
だって医療ってそうですよね。腰痛に痛み止めを飲むのではなく、リハビリで根本的な姿勢を加療しますし、がんは腫瘍を取り除くために手術や、小さくするために抗がん剤を服用します。
「あなたはがんですね。では痛み止め処方しておきます」そんな医療に用はないのです。
さて、精神科医療は「根本治療」なのでしょうか。
対処行動を伝える、アンガーマネジメントをする、確かに根本治療に取り組む医療に慣れ親しんだ医療従事者からすれば「それって時間稼ぎですよね。それでは同じことになった時に解決できません」となるのだと思います。
では、精神科の利用者さんの「根本」とはどこにあるのでしょうか。
完璧に良くなりたい
根本的に腫瘍を取り除ければ確かに「良くなる」のだと思います。
社会参加をし始め、継続的な居場所を見つけること。調子を取り戻し、復職すること。穏やかに感情表出し、人間関係を安定して営めること。確かにそれが継続的にできるのであれば、根本治療に近いのかもしれません。
ところで質問なんですが、そんな永久的な「根本」あなたは手に入れていますか。
この対処方法を学んだら未来永劫人間トラブルに巻き込まれることはありません。なんてことあるのでしょうか。
1週間に30分の訪問看護でそれは提供できるのでしょうか。それは「これ1冊で丸わかり!人工呼吸器」とか「1週間で習得できる。新人看護師必須の心電図」なんて本と同じです。それ、騙されてるやつです。そんなんで分かるほど甘くないから専門家がいるのです。
でも「精神」という、「脳」という臓器に腫瘍はないのです。脳がなくては生きていけないですよね。ではどうしたらいいのでしょうか。
根本ってどこ
「精神」の根本はどこなのか、というと、憎くも甘くも自分自身です。
さて、自分の根本を見直すことがあなたはできていますか。
申し訳ありませんが、私はできていませんし、できる予定もありません。付け足すとすれば、行いたい思いもありません。
「それって時間稼ぎですよね。それでは同じことになった時に解決できません」これって至極当たり前ですよね。人生にそんな根治治療ありましたか。
腫瘍を取り除くんじゃないんです。私そのものを取り除かれてしまうんです。それはまさに極刑ですよね。
時間稼ぎ、上等です。人生の時間稼ぎ是非していきましょう。その時間稼ぎで何も状況が変わらないほど、人生は緩やかではないのです。だからこそ悩むんです。だからこそ良くなるんです。
時間があれば必ず新しい情報が手に入ります。そしたら新しいアイデアが出ます。それを試しながら生きるんです。ほら、時間稼ぎも悪くないですよね。むしろ時間を稼ぐことが情報を仕入れる一番の手段です。
いざ行こう、時間稼ぎへ。
そんな私の根拠のない、精神というくくりのお話、でした。


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