苦情対応の気持ち。

運営のおしごと

今日は運営のおしごとのお話。

人間だもの

苦情を言われることって悲しいですよね。それがこちらに非があるかどうかと言うより、とりあえずそれ自体がとにかく悲しいのです。

どちらかが100%悪いなんてことはないように、こちらが100%正しいなんてことはありません。何かしらの不備はあるだろうし、後から考えればこうしてよけばよかったのかな、事前にこう伝えておけば良かったなどの改善点が思い浮かんでくると、頭の中がぐるぐるしてきます。

苦情をもらった自分も辛いですが、それを言われた職員の気持ちを考えると心を抉られる思いがします。でも対人援助職としては苦情なし、なんてことはあり得ないので対応しなければならないのです。

この自分の対応で職員が事業所で働きたくなくなったらどうしよう、指摘する部分もあるけどなんて伝えたらいいんだろう、支援者の方にはどう説明しようか、新規が来なくなったりしちゃうかな、利用者さんが訪問終了になったらショックだな、怒ってるのに会いにいくの怖いな、なんて途方もないことを考え続けています。

苦情対応は管理者の仕事、と思いながらも得意です、やりがいを感じています、なんて言えるほどまだまだ大人ではない私です。

感情不協和音

対応する時に気をつけているのか、「感じている感情」と「感じるべき感情」を両方しっかりと認識することです。

「感じている感情」は、本当に自分が思っていることで、面倒だな、嫌だな、怖いな、なんでこんなことしなきゃいけないんだ、と素直に自分の気持ちを認識します。

管理者としてしっかりしなくては、嫌だななんて態度見せたら周りの人の指揮も下がっちゃうし、なんて思いは一旦すみっコぐらしをさせておいて、自分の「感じている感情」を全面に出してまず感じます。

自分は誰なのか、を忘れずに事業を運営していかなければ、私が私らしくいられないからです。私が私らしくいなければ、他の事業所との差別化は図れません。

苦情対応の際にそれを全面に出す必要はないのですが、私のバーンアウト予防がとても大事なので、事業所のためとはいえ、私は自分の感情を押し殺すことはしません。

次に「感じるべき感情」へ気持ちを整えます。申し訳ないこと、不備があったこと、改善策はこうで、と心を整えます。

私として「感じている感情」と管理者として「感じるべき感情」の不協和音が激しいほど、自分のバーンアウトのリスクは高まってしまいます。

それを認識しながら感情不協和音をあえて奏でる自分をしっかり労ってから、対応を進めていきます。

いい事業所であること

けれど、苦情対応で一番大切にしているのは、事業所としてのスタンスです。

どんな正当な苦情であっても、担当職員は基本的に変更します。再発予防という観点もあります。ですが一番は「うちの事業所は職員のメンタルヘルスを一番重要視している」という信念です。

確かに分かり合えたらいい、長く一緒に歩んで行けたらいい、でもそれは利用者さんともですが、事業所としても職員と長く付き合っていきたいのです。

その苦情をいただいて学んだ職員が、また新たな成長のステップを踏めるように事業所としてはサポートしていきます。苦情が来たからといって職員の評価や価値が下がるものではありません。

私も利用者さんも、職員も人間です。分かり合えたらいいけれど、そうはいかないこともあります。でも、それにもタイミングがあるし、お互いの価値を決定づけるものではありません。

だからこそ、ブレないために必要なのは私らしさと、事業所の信念です。忘れずに真ん中に抱えるようにしています。

そんな私の根拠のない、運営のおしごとのお話、でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました