苦情の楽しみ方。

運営のおしごと

今日は運営のおしごとのお話。

どうですか

ケアマネージャーや相談員、病院や家族など、訪問看護には多数の支援者の方が関わっています。

人数が多ければ多いほど、軋轢が生まれるのは当たり前です。自分の職種では考えつかないようなことが他の職種では当たり前であったりするのですから。

そんな時にこちら側としても、利用者さんのケアに支障が出ている場合はお伝えすることがあります。ですが、もちろんあちら側からいただく事もあります。

苦情というネーミングであると、悲しい気持ちになりますが、本当に苦情という形で事業所の届いてからの対処では、非常に遅いのです。そのときにはケースが終了になってしまったり、せっかくのご縁が切れてしまうこともあります。

そのため、何となくちょっと…くらいの違和感で拾っていくことで軌道修正がかけられるのです。

苦情はもらうとしょんぼりするので、私はあえて支援者の方々に「うちの職員どうでしょうか」と聞きに伺います。利用者さんがこう言ってたよ、時間変更お願いしたくてね、いつも連絡くれて助かってる、なんて肯定的な意見が聞かれることも多いです。だってみなさん大人ですから。

でも定期的に聞いていくことで、そういえばさ、とポロッと意見をいただける事もあるのです。もちろん肯定的な意見は嬉しいです。ですが批判的な意見は私からの方向では職員の成長を促せない部分なので、非常にありがたいのです。

なるほど

職員の不備と言えるほどでもないけれど、モヤっとするような、すれ違いが起こることがあります。

事業所の職員自体のアセスメントは、私がだいぶ行えているつもりなので、そこになんの知識を加えるか、どの気遣いを身につけるか、を検討し本人に伝えています。

苦情の前段階を聞く場合は「なるほど」という立ち振る舞いで伺います。大ごとに捉えすぎても、助長させてしまうかもしれませんし、言わなければよかったと感じさせては継続的な情報がもらえなくなるかもしれません。

それを踏まえてじっくりと聞き、職員にどう伝えるかを考えます。基本的に一方向からの情報だけで指導はしませんし、私の中でも「なるほど」と言う気持ちで咀嚼しています。

職員に伝えるときになったとしても、この人がこう言っていたよ、と言う言い方はしません。萎縮してしまうのも、敵意を感じてしまうのも、人間としては当たり前にある感情だからです。

アセスメントの精度

一方向の情報では精度は格段に下がります。それは医療も教育も同じです。そして、運営も同じです。

収支を見る、職員を見る、顧客を見る、それはどれも欠かすことのできない視点ですが、自分が見るだけでは絶対的に不足しています。

苦情と捉えていくと、聞きにいくには消極的になりがちなご意見ですが、事業所を共に育ててください、と言う思いで聞いてみています。

基本的には褒められることも多いので、嬉しい気持ちにもなります。そのときには職員にもしっかり伝え、ウィンザー効果を利用しています。

その人から直接言われるより、他者を介して褒められた方が情報の信頼性が高いと感じる心理効果がウィンザー効果です。

ですがウィンザー効果を知っている私では、「この人ウィンザー効果を利用して、私を油断させようとしているのでは」と穿った考え方をしてしまう時もあります。なので職員には内密にしております。

苦情は楽しむ、それくらいの気持ちでいないと、落ち込んでしまうのが運営なんですよね。

そんな私の根拠のない、運営のおしごとのお話、でした。

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