今日は経営のおしごとの話。

訪問看護は新規依頼獲得が必須
新規依頼がないと経営は立ち行かない。それはどの業界でもきっと同じで、人は生きている限り変化をしていくので、サービスの質がどれだけ良くても自然減は必ずあります。
営業に行くことはとても重要で、病院や居宅介護支援事業所、相談支援事業所、包括支援センターなど業種の選択肢すら様々あります。
営業に行く前には職員に「病院みたいに患者さんが自分から来てくれたり、救急車が運んでくるようなことはないよ」と話をしています。自分の足で会いに行き、まずは支援者の方々に会う、それが第一歩です。
けれど誰かに気に入ってもらえれば、経営はうまく行くか、というとそういうわけでもなかったりします。例えば一定数の新規をいただける病院があれば確かに安定はするかもしれません。けれどそれでも人事異動や、経営陣の変化、新規参入事業所など様々な要因が出現してきます。
それもまた、当たり前の変化です。
職員のファンを増やす
新規獲得のために何をするか?というと、私はいつも「自分のファンを増やそう」と伝えています。
営業はタイミングや印象、事業所の方針などたくさんの要因が関係してきます。ですが一番大事なのは「自分が来た時を新規依頼のタイミングにすること」です。
新しく訪問看護始めたい利用者さんいるんだよな、という時にタイミングよく営業に行く事ができれば、確かにベストです。ですが毎回その奇跡のタイミングを狙えるかというと、かなり困難で再現性が乏しいです。
そのためには営業に行った時、連絡をした時に「待ってたの」と思われる自分になること。
「あなたに合う利用者さんだと思うの」「利用者さんにはまだ会ってないんだけどあなたに頼もうと思ってたの」そんな風に新しい仕事があった時に真っ先に思い浮かべてもらえる人になることが必要です。
そうやって利用者さんの基本情報を見たときに連想してもらえるくらい自分のキャラクターを理解してもらうと、その後お会いする利用者さんとも非常に相性が良い事が多いです。
相性が良い利用者さんに訪問することで、こちら側のパフォーマンスも上がるので訪問看護の効果が非常に出やすく、「あなたに頼んでよかった」という評価も頂けやすいという、3方にとてもメリットがある状態になります。
自分って誰なの
そんな自分になるためにはどうしたらいいのか、というと今よく聞くメタ認知を勧めています。
職員との1on1ミーティングを日々行なっていく中で「この事業所に来て、自分って誰なんだろうって言うことを考えます」と言うのがとても多い感想です。
自分は誰なのか、と言う問いはもちろん営業に重要ですが、職員の人生に非常に寄与する問いだなといつも感じています。
顔が可愛いアイドルが人気があるか、と言うと確かにそうなのかもしれません。でも可愛いというだけならきっと他にもいるし、それが好みかどうかは置いておいて「当たり前」でもあると思います。
訪問看護で言えば「訪問看護師は国家資格の看護師免許を持っている」と言うくらいの当たり前。
でもそこからどう差別化を図るかというと「優れている」だけが価値ではないと言うところなのです。
人間味であったり、その人にしかない持ち味であったり、自分と共通する事項であったり、人生で共感できる成り立ちであったり、単純接触効果からくる好感度であったりします。
それを認識してもらうにはどうしたらいいのか、と言うと自分で認識すること、が第一です。
ダンスがあんまり上手くない、食レポが下手、歌が地味に音痴、昔は結構不真面目、家族に色々難あり、なんて側から見ればマイナスと取られるようなことが「何それ、好き」と言う価値を生み出すこともあります。
でもそれは自分が「私のここ嫌いなんだよな」と感じていると価値が出ないものです。
そんな自分を自覚して、「それが自分」と思える強さを持つことがメタ認知をしていく上で必要な付加価値です。
脳神経のリハビリは詳しくない、頑固なおじいちゃんが怖い、年配の方はどう接していいのか分からない、地元から出たことないから他の地域とか観光地は詳しくない、それは確かにデメリットなのかもしれません。
けれど、脳神経は分からないけど、整形外科のリハビリはできる。頑固なおじじちゃんは苦手だけど、わがまま言いがちなおばあちゃんを乗せるのは得意、若年の子から意外に高感度高め、地元で過ごしているから、地元トークは得意。
人と人との関係は何が効果的に映るか分からないものです。決して統計で測れるものではなく、平均値から秀でたものが良いわけではない。
それを見つけてアピールできるくらい自信を持てるように自覚して、「さぁアピールしていこう」と自信を持って踏み出せるようになること。
それが管理者としてできる職員のサポートです。
そんな私の根拠のない、運営のおしごとのお話、でした。
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